オーバーステイとは

「オーバーステイ」とは、在留期間満了後も日本にとどまっている、いわゆる不法滞在者のことです。
オーバーステイには、次の2つのケースがあり、その総称として使われています。

不法入国: 偽造パスポートや、姓名・年齢・国籍等を偽って入国した者、また入国審査を受けずに
      入国した者。

不法残留: もとは適切な在留資格を持って滞在していた者が、その後定められた在留期間満了後も
      日本にとどまっている者。

どちらに該当する場合でも、オーバーステイは退去強制事由とされており、場合によっては逮捕され、
起訴されることがあります。退去強制により本国へ強制送還された外国人は、日本への5年間の
再上陸禁止をペナルティとして課せられています。

しかしながら、5年が経過したからといって、すぐに次のビザが下りる保証があるわけでも
ありません。逆に、過去の不法入国ないしは不法滞在の経歴は入管の記録に残っているので、
ビザ取得は大変厳しくなります。

現在日本国内には、約25万人のオーバーステイがいると推定されています。入管は警察と連携して、
連日大掛かりな摘発を行っています。

◇出国命令制度

出国命令制度とは2004年12月の入管法の改正により新設された、全件収容主義の例外として,
身柄を収容しないまま簡易な手続により出国させる制度です。

出国する意思を持ち自ら出頭したオーバーステイの外国人で、一定の条件を満たす者には
「出国命令」により帰国を促そうというものです。

出国命令により出国した外国人は、再上陸拒否期間が1年で、退去強制の5年と比べて短い
のが特徴です。

オーバーステイで日本人と結婚した外国人は、在留特別許可を求めるか、それとも出国命令
により一旦帰国してから在留資格認定証明書を交付申請するか、選択肢が増えたことになります。

退去強制 (国外追放)

国際社会においては、国家は外国人を受け入れる義務はなく、また受け入れる場合
その条件を自由に決定できるとされています。そして、どの国家も自国の社会にとって
好ましくない外国人を一定の手続きのもと国外追放できることも、国際法上認められて
います。この手続きが「退去強制」という行政処分です。
 
■好ましくない外国人とは

退去強制の対象となる好ましくない外国人とは、法律で定められています。
 ◇入管法の規定に違反する者
   ・入国又は上陸の手続を経ない者(不法入国者、不法上陸者)
   ・在留条件等に違反する者(資格外活動者、不法残留者、仮上陸条件違反者、
    不退去者・不帰船又は不出国者)
   ・不法入国(不法上陸)幇助者

 ◇犯罪性、反社会性が強いと認められる者
   ・刑罰法令違反者(禁錮刑以上の者、麻薬犯罪で有罪判決を受けた者、その他1年
    以上の実刑を受けた者)
   ・売春関係の業務に従事する者

 ◇国家秩序治安を脅かす者
   ・日本国の憲法・政府を破壊をするなどを企てたり主張する者
   ・公務員を殺傷・暴行または公共施設破壊などを行う者

 ◇ その他法務大臣が我が国の利益または公安を害する行為を行ったと認める者

■退去強制手続きの流れ

第1段階 入国警備官(入管Gメン)による違反捜査が行われます。容疑者(外国人)が
退去強制事由に該当するかの調査、取調べを行い、該当すると疑うに足りる相当の理由が
ある場合、収容令書により容疑者として収容し、48時間以内に入国審査官に身柄を引渡します。
(逃亡の危険などが有る場合には収容令書なしでも収容されます)

第2段階 入国審査官が審査を行い、容疑者が退去強制事由に該当するかを判断し、
該当なしと認定されると放免されます。該当と認定し、外国人もこれに服するか3日が
過ぎると、退去強制令書が発付されます。認定に対して不服があれば、3日以内に特別
審理官に口頭審理の請求をすることができます。

第3段階 特別審理官が口頭審理を行い、入国審査官の認定に誤りがあると判定した場合は
放免されます。入国審査官の認定に誤りがないと判断され、容疑者がこの判定に服するか、
3日以内に異議申出をしないと、退去強制令書が発付されます。判定に異議がある場合は、
容疑者は3日以内に法務大臣に異議の申出をすることができます。

第4段階 法務大臣は異議の申出があったときは審理を行い、異議の申出に理由があると
裁決した場合は放免となり、理由がないと裁決した場合は退去強制令書が発付されます。
なお、法務大臣は、理由がないと裁決した場合でも、その外国人の事情をかんがみ特別に
在留を許可することができるとされています。これが、いわゆる「在留特別許可」です。

このように、在留特別許可は、退去強制手続きの一環として行われるもので、在留特別許可
という申請手続きがある訳ではありません。